業務用 AV & 放送向けプラットフォーム

業務用 AV 機器や放送機器アプリケーションには、AMD のすべてのデバイスとプラットフォームが使用可能ですが、最新 UHD アプリケーションに最適な機能を備えたデバイスと言えば、いくつかあります。コスト重視製品ポートフォリオは、コストと消費電力を抑えられる上に、UHD 接続や処理機能にも優れた性能を発揮できる業務用 AV 機器や放送機器に最適な製品群です。Zynq UltraScale+ MPSoC EV ファミリは、ストリーミング アプリケーション用の H.264/H.265 コーデックを統合しており、Kria SOM で利用することで開発と運用を加速できます。Virtex UltraScale+ HBM、58G FPG、および Versal ACAP は、高性能な 8K またはマルチチャネルの 4K 処理や、100GE ネットワーキングに理想的です。また、Alveo アクセラレータ カードは、トランスコーディングや機械学習などのサーバーベースのメディア処理機能をオンプレミスまたはクラウドで運用するのに最適なソリューションです。

コスト重視製品ポートフォリオ

AMD のコスト重視製品ポートフォリオでは、ミニコンバーター、カメラ、KVM などのスペースに限りがあるアプリケーション向けに放送品質の 4K60 UHD ビデオ パイプラインを効率よく実装できます。AMD の FPGA または SoC を使用すると、大規模並列 DSP 機能により、単一デバイスで複数の AV チャネルに対するスケーラブルなリアルタイム ビデオ処理が可能になり、また高性能のコネクティビティにより、4K AV-over-IP ライブ ストリーミングに対応する SDI、HDMI、DisplayPort、および 1Gb/10Gb Ethernet 間のブリッジが可能になります。

ビデオ コーデック ユニットを統合した Zynq UltraScale+ MPSoC

Zynq UltraScale+ EV MPSoC ファミリは、業界で唯一無二の存在です。ハードウェアに実装した H.264/H.265 ビデオ コーデック ユニット (VCU) を統合しており、最大 4K60 4:2:2 10bit の同時エンコードとデコード (つまりトランスコード)、または最大 32 ストリームの低解像度ビデオをサポートします。業務用 H.264/H.265 コーデックによる優れたビデオ品質と業界最小レイテンシ、さらに低電力実装を可能にするバランスの取れたソリューションです。このコーデックは、さまざまなストリーミング ユースケースに対応するために多数のオプションを備えた完全機能です。使いやすさ向上のため、GStreamer や OpenMAX などのソフトウェア フレームワークや、パラメーターを微調整をするための制御ソフトウェアも提供しています。また、プログラマブル ロジック、高速トランシーバー、Arm プロセッサを搭載しているため、AV プロセッシング パイプラインを単一デバイスで実現できる究極のストリーミング プラットフォームです。

Kintex UltraScale+ FPGA

Kintex UltraScale+ FPGA ファミリが、25Gb イーサネット ネットワーキングを必要とする、コスト効果の高い放送/業務用 AV システムに最適であることは明らかです。この価格帯で、最大 33Gbps をサポートするトランシーバー性能を実現できるソリューションはほかになく、25GE、UHD-SDI、HDMI、DisplayPort に加え、PCIe® Gen4 にも接続可能なため、価格/性能/電力のいずれも重視するビデオ/オーディオ処理アプリケーションに最適なプラットフォームです。

Virtex UltraScale+ FPGA

次世代のイーサネット展開をサポートするため、AMD は、Virtex UltraScale+ FPGA ファミリに 58Gbps トランシーバーを統合しました。シグナル インテグリティに優れた Virtex UltraScale+ FPGA は、連続適応型 RX イコライゼーションとビルトインの KR-FEC による 50/100/200/400G 光通信およびプロトコルをサポートします。さらに、Virtex UltraScale+ HBM FPGA は、最大 16GB の HBM (High Bandwidth Memory) Gen2 を統合しているため、460GB/s のメモリ帯域を実現でき、DDR4 DIMM の 20 倍の帯域幅を提供するとともに、パケットやビデオ レームのバッファリングに伴うボトルネックも解消します。

放送業界が、高機能搭載のプラットフォームベース デザインへと移行する中、高速イーサネット接続や高帯域幅メモリが統合されていることは、マルチチャネルの UHD プロセッシングやネットワーキング システムの実装に理想的と言えます。

Versal アダプティブ SoC

Versal アダプティブ SoC は、放送機器およびハイエンドの業務用 AV 機器向けに、多数の新機能を提供しています。プログラマブルなネットワーク オン チップ (NoC) により、デバイス全体の AV 処理カーネル間で広帯域のテラビット転送が可能になります。ハード実装されたメモリ コントローラーと接続する DDR4/LPDDR4 や統合された広帯域幅メモリ (HBM) により、IP パケットや UHD ビデオ フレーム用に高性能バッファーが実現します。最適化されたトランシーバーは、最新の UHD-SDI、HDMI、DisplayPort 規格、PCIe Gen4/Gen5、10GE ~ 400GE をサポートし、ビルトインの MRMAC (Multirate Ethernet MAC) で ST 2110 AV-over-IP もサポートしています。

これに加えて、OS 用のマルチコア スカラー エンジン、リアルタイム ビデオ処理や低レイテンシ圧縮用の適応型エンジン、DSP や機械学習の高速化のためのインテリジェント エンジンが統合されています。

KRIA SOM

エッジ アプリケーションの開発と製品運用を加速するため、AMD は Kria SOM (システム オン モジュール) を提供しています。最初のデバイスは、1 ~ 最大 32 ストリーム (最大解像度 ≤ 4Kp60) に対応するビデオ コーデック ユニット (VCU) を統合し、各種センサー インターフェイスを備え、HDMI および DisplayPort 接続にも対応しています。Kria アプリ ストアで提供しているアクセラレーション アプリケーションを利用することで、開発者は FPGA のプログラミング経験がなくても、ソフトウェアレベルで設計し差別化にも対応できます。KV260 ビジョン AI スターター キットを併用することで、量産対応のアクセラレーション アプリケーションを 1 時間足らずで動作させることができるため、開発者は製品の差別化により多くの時間を費やすことができ、最短で製品化を実現できます。

Alveo アクセラレータ カード

AMD の Alveo PCIe カードは、オンプレミスとクラウドの両方に対応するサーバー運用の高速化を目的としています。ハードウェアから分離して抽象化することで、数行の FFmpeg 命令で複雑なトランスコーディングを実行したり、ライブ ストリーミング アプリケーションでは高品質/高密度のエンコーディングを実行することが可能になります。オープン フレームワークと手軽な API を使用できるため、Alveo カードは、ポスト プロダクションや分析、Alveo Smart NIC を使用するネットワーキングや配信など、メディア ワークフローのさまざまなステージで適用できます。また、AMD は、高集積度、低レイテンシ、インタラクティブなOTT ストリーミング アプリケーションにも適用できる Alveo アクセラレーションの MA35D アクセラレータ カードを提供しています。

AMD アプリケーション

applications

AV-over-IP 配信や KVM、コラボレーション、ライブ ストリーミング、LED ウォールなど、業務用 AV システムには高品質かつ低レイテンシのオーディオ/ビデオ処理、伝送、表示機能が不可欠です、AMD の適応性に優れたプラットフォームは、アクイジションからコントリビューション、プロダクション、ポストプロダクション、ディストリビューション、コンサンプションに至るまで、映画や放送業界で使用されるすべてのアプリケーションの中核をなしています。

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AV テクノロジ

ほとんどのマルチメディア システムは、AV 接続 (ベースバンド伝送と IP 伝送の両方)、オーディオ/ビデオ処理、圧縮を組み合わせて使用します。AMD は、アライアンス プログラム パートナーの協力のもとで、多数の IP コア、リファレンス デザイン、およびサブシステムを提供し、迅速な開発をサポートしています。