業務用 AV、放送、シネマ アプリケーションの中核を担う AMD

AMD は、最新の UHD/マルチチャネル オーディオ要件に対応できる柔軟なプラットフォームを提供し、業務用マルチメディア アプリケーションの中核を担っています。

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業務用オーディオ

高性能、高集積、低レイテンシのオーディオ DSP

AMD のプラットフォームは、オーディオ処理、インターフェイス、圧縮、組み込み、および変換に必要なデジタル信号処理 (DSP) の卓越した性能を提供します。FPGA アーキテクチャが備える並行処理機能を駆使し、効率よいリソースで、複数のオーディオ チャネルを同時に処理できます。AMD の Vitis 開発ツールは、C++ などの高級言語をサポートしているため、これらを使用して自社製品にオーディオ機能をすばやく統合できます。また、差別化、チャネル密度の向上、迅速な市場化もサポートします。

業務用カメラ

スペースと電力に制限を受けるカメラに画像/ビデオ処理を高密度集積

画像解像度や解像度が 4K またはそれ以上に進化し、高フレームレート化、ハイダイナミックレンジ化するとともに、実装スペースが限られたカメラやカムコーダーの設計でリアルタイムに画像/ビデオ処理を行うことが不可欠になります。さらに、ワークフローの効率化やコンテンツの収益化のために、ビデオ解析/メタデータ アクイジションなどの新機能を搭載する必要があります。

AMD プラットフォームは、最新の 4K および 8K センサーからの高速コネクティビティと、拡張性に優れた画像/ML/ビデオ処理パイプラインを統合します。必要に応じてロスレス/ロッシー エンコーディング機能やさまざまな出力接続規格を追加でき、これらをすべて単一デバイスに実装できるため、サイズ、コスト、消費電力を大幅に削減できます。

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顧客のサクセス ストーリー

ストリーミング エンドポイント

画質、低遅延、消費電力、コストの最適なバランスを実現する圧縮技術

ビデオ ストリーミングはもはや生活の一部となり、消費者はあらゆる場所のあらゆるデバイスからコンテンツを求めるようになりました。ワークフローはリモート プロダクションによって分散化し、コンテンツを圧縮して配信する必要性が高まっています。ストリーミング エンドポイントは、原則的に 「codecs-in-a-box」 であり、通常は 1 つまたは 2 つの SDI/HDMI 入力で、H.264/H.265 を使用して圧縮し、イーサネットを介して IP 伝送します。同時に、ミニスイッチャーなどの機器に同様の機能が組み込まれるようになり、新たなストリーミング機能が誕生しています。

スタンドアロン製品で使用するか、別のアプリケーションに統合するかを問わず、4K60 対応の H.264/H.265 ビデオ コーデックをオンボードに統合し、AV 接続と処理をサポートする適応性の高いハードウェア、さらに ROI (関心領域) エンコーディングを使用して帯域幅を最適化する機械学習機能を備えた AMD の Zynq UltraScale+ MPSoC は、あらゆるストリーミング デザインにとって最適のプラットフォームとなります。

KVM – キーボード、ビデオ、マウス

統合された高品質コーデックに対応する新しいディスプレイ接続規格をサポート

スタンドアロンのラック ユニットやドングル、あるいは大型 AV 製品に統合された KVM (Keyboard Video Mouse)は、クライアントやサーバーの場所を問わず、ビデオ コンテンツへのアクセスにおいて低レイテンシかつ高画質であることが重要です。放送システム、eスポーツ、制御室、船舶司令室、空港などのさまざまな用途に使用されている KVM は、シンプルな 1 対 1 接続のエクステンダーやマトリクスから IP を取得し、その伝送範囲と機能性を拡張します。

新しいディスプレイ技術が出現し、4K120 や 8K に対応するために解像度、HDR、高速フレームレートの限界が押し広げられました。これにより、HDMI 2.1 や DisplayPort 1.4 などの最新 AV 接続規格を、信頼性の高い安全なイーサネット ネットワークにブリッジ接続する重要性が高まりました。AMD プラットフォームは、メザニン コーデックと H.264/H.265 を選択して LAN と WAN ストリーミングを同時に実行する接続規格を統合できる理想的なプラットフォームです。

ミニ コンバーター

「Any Media over Any Network」 ブリッジ

圧縮/非圧縮のオーディオ ビデオを接続する規格やフォーマットが多様化しているため、ネットワーク接続には主要設備付近にシンプルなコンバーター ボックスが必要になります。これらのシンプルかつ効率的なコンバーターは、SDI などの規格を受信して、HDMI 出力に変換できます (またはその逆)。通常、これらのコンバーターは複数チャネルを扱うことができ、低コストで小型のため、ビデオやオーディオの品質を損なうことなく統合できます。一部のコンバーターでは、フォーマットを変換するビデオ処理機能を提供しますが、最新バージョンでは、ST 2110 のような IP ネットワークへの移行をサポートします。

Any-to-Any コネクティビティをサポートする AMD プラットフォームは、システム制御やオーディオ処理用の ARM® プロセッサ、フォーマット変換用のビデオ処理パイプライン、メザニン、イントラフレーム、long-GOP 圧縮用のコーデック (オプション) をシングルチップに実装する統合ソリューションを提供します。

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プロジェクター

ピクセル シフト用の光学エンジン、ワーピング用のビデオ エンジンを実現

映画館、企業、シミュレータ用のプロジェクション システムを構築する場合、4K/8K の高解像度かつ高輝度で映像を表示できることが重要となりなす。映画館やハイエンドのプロジェクターでは、一般的に IMB (統合メディア ブロック) がビデオ データの処理/圧縮を実行します。オフィス プロジェクター向けには AMD のコスト重視デバイスを、映画、シミュレーション、ビジュアライゼーション向けには AMD の高性能 HBM プラットフォームを使用して、スケーリング、色補正、高度なビデオ ワーピング機能 (台形補正、回転、任意のワープ、ステッチング、ブレンディング)を、4K/8K インターフェイスおよびビデオ処理と一緒に統合できます。

光学エンジンには光源装置が含まれるため、プロジェクション システムで最も重要な部分となります。AMD FPGA は、業界をリードする光源エンジン (DLP® と LCOS) と共に XPR (Expanded Pixel Resolution) をサポートし、低解像度の光源で高解像度の画像を作成可能にします。

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AV 切替装置とルーター

高密度チャネルによる低遅延オーディオ/ビデオ ルーティング

ルーターは、放送スタジオ、ライブ イベント、オフィス ビル、キャンパスなどで、複数のソース (カメラ、メディア サーバー、マイク) を多様なディスプレイ (マルチビューアー、ビデオ ウォール、プロジェクター) またはアーカイブ システムに接続する中継装置です。従来は、クロスポイント スイッチとの間で 2 または 4 本から数百本の SDI、HDMI、DisplayPort チャネルをサポートするポイント ツー ポイントのベースバンド オーディオ ビデオ接続が主体でした。制御面にビデオ処理、デジタル ビデオ効果 (DVE)、圧縮機能を追加すれば、ルーターがスイッチャーになります。近年、ルーターやスイッチャーは、ベースバンドだけでなくイーサネットや IP ネットワークをブリッジしたり、ST2110、Dante、NDI、IPMX などの新しい AV-over-IP 技術を使用するハイブリッド機器になりました。

さまざまな統合型/メザニン コーデック、オーディオ ビデオ効果、最小遅延でスケーラブルな 4K/8K HDR チャネルをサポートする AMD プラットフォームは、ルーターやスイッチャーを構成する主要システム コンポーネントとして今後も使用されるでしょう。

業務用モニター & マルチビューアー

革新と差別化の余地を残して最高画質を実現

AMD は、広範なビデオ IP ポートフォリオを提供しているため、ベンダーは最高品質のビデオ処理、最新のプロセッシング アルゴリズムと充実した機能を利用した製品の差別化、およびコストと消費電力の最適バランスが可能になります。

大規模なマルチビューアーの場合、広帯域幅メモリ (HBM) を搭載している AMD の適応型プラットフォームで、ビデオ処理 (特にスケーリングとマルチスケーリング) による複数の非圧縮/圧縮 HD、4K、8K ストリームに対応できるため、多チャネル、高解像度、高フレーム レートを実現できます。

マルチメディア サービス & ストレージ

アーカイブとプレイアウト向けの信頼性と拡張性に優れたストレージを実現

放送/業務用 AV メディア サーバーは、高チャネル密度の OTT 配信からデジタル サイネージ用メディア プレーヤーまでのさまざまな用途でストレージ、検索、プレイアウト機能を組み合わせて使用します。従来型サーバーとは異なり、メディア サーバーにはロゴやステーション ブランディング グラフィック、ローカル広告の挿入、デジタル ビデオ効果、ライブ スイッチング機能を組み込むことができるプレイアウト システムが必要であり、ベースバンド AV、IP トランスポート、ファイルベースのインジェスト機能と共に統合する必要があります。マルチメディア分野とコンピューティング ストレージ分野における AMD の技術と経験を集結させることで、利用できる帯域幅への適応や使用量要件の拡大が可能になる、クラウド プレイアウト システムと連動するオンプレミス メディア サーバーを迅速に構築できます。また、このシステムで視聴者には最高の信頼性を提供できます。

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衛星、地上、ケーブル伝送

すべての DTV 規格をサポートする高密度送信機で費用対効果が向上

デジタル テレビ信号の変調/送信/受信には世界各国でさまざまな規格が使用されています。ISDB から DVB、ATSC から DOCSIS に至るまで、これらの各規格は、衛星、ケーブル、地上波の伝送に必要なロバスト性をサポートするために開発され、各地の地理的ニーズに応じて調整されています。一方、各規格には、マッピングやチャネル コーディング (前方エラー訂正) からベースバンド形成や送信 DAC へのアップ コンバートまで、相対的に共通する信号処理チェーンがあります。これらのすべての機能は、AMD の FPGA または SoC で実現でき、単一チップで高密度なマルチチャネル ソリューションを提供 (ラック スペースとコストを削減) します。また、将来的な変化に対応できるこのプログラマブル ソリューションは次世代の新規格にも対応できます。市場投入までの時間を短縮するために、AMD のパートナー企業がさまざまな変調 IP を提供し、これらのアプリケーションをサポートしています。また、カスタマイズや最適化された製品を提供するためのデザイン サービスも提供しています。

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モバイル無線ビデオ システム

業界で最も低遅延の H.264/H.265 カメラバック コーデック/バックパック コーデック

ライブ イベントやニュース、スポーツ中継などでは、カメラに直接ワイヤレス送信機を取り付けることで、どんな環境でもすぐに運用できるというメリットがありますが、それだけに課題もあります。特に複数カメラで撮影されるスポーツ イベントなどでは、できるかぎりの低遅延が要求されます。ノイズの多い無線通信の中でも可能な限り高画質を維持し、利用できる帯域幅に絶えず適応していく必要があります。ポータビリティとは、バッテリ駆動で小型で必要があるため、できるだけ省電力で、熱管理ストレスがないことが条件です。

そこで、AMD には、これらすべての要件をバランスよく満たす理想的なプラットフォームがあります。Zynq UltraScale+ MPSoC には、ハード化された 4K UHD 対応の H.264/H.265 4:2:2 10bit コーデックが統合されており、すでに多くのモバイル ワイヤレス ビデオシステムで使用されています。業界最高レベルの低遅延を実現し、VQ と帯域のバランスを細かく調整できるほか、UHD-SDI チャネルとさまざまなビデオ処理アルゴリズムを同一デバイスに統合して、システムの消費電力とコストを抑えることができます。

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コントリビューションおよびディストリビューション エンコーダー/デコーダー

OTT や OTA 向けの最高画質または最高密度のエンコードとトランスコード

コントリビューションには、通常、メザニン コーデック (JPEG 2000 や JPEG-XS など) か H.264/H.265 のいずれかを選択する必要があります。AMD アライアンス パートナーは、高 VQ、小フットプリント、低レイテンシを実現するさまざまなメザニン コーデック IP コアを提供しています。AMD は、4K UHD 対応のハード実装した H.264/H.265 4:2:2 10 ビット コーデックを搭載した Zynq UltraScale+ MPSoC を提供しています。そこで、AMD プラットフォームを使用すれば、インジェストとプレイアウト用に UHD-SDI、ST 2110、ST 2022 をすべて統合したシステムを実現できます。

ディストリビューションでは、OTT (Over-the-Top Internet Distribution) や OTA (Over-the-Air transmission) のいずれにおいても、インフラおよび運用コストを抑えながら高品質のユーザー エクスペリエンスを提供することが課題となります。これは通常、少ないストリーム数で可能な限りの高画質を大勢の視聴者に配信するか、高画質を求める比較的少ない視聴者に配信する放送事業者向けに最適化するかを選択することを意味します。いずれの場合も、AMD のプラットフォームではエンコード、トランスコード、デコードを実装でき、オンプレミスまたはクラウドで運用できます。Zynq UltraScale+ MPSoC H.264/H.265 ファミリは高密度アプリケーションに最適で、Virtex UltraScale+ FPGA または Alveo アクセラレータカードは H.264、H.265、AV1、さらには今後 LCEVC が提供する最新のコーデック レイヤーを使用する最高品質の映像配信に最適な選択肢と言えます。

ブロードキャスト ネットワーキングのインフラストラクチャ

圧縮/非圧縮 UHD コンテンツを世界中に配信

放送業界では IP ネットワークへの移行が進んでおり、以前から SMPTE ST 2022 を用いた IP コントリビューション (集信) が行われているほか、ST 2110 を用いたオール IP 化も進んでいます。一方、依然として大量のレガシ機器が使用されている上に、SDI は IP ネットワークよりもまだ優れた点があるため、接続規格に関係なくコンテンツを移動できることが重要です。

「Any Media over Any Networ」に対応できる AMD デバイスは、高性能な放送用ネットワーキング プラットフォームに多チャネルの UHD-SDI と最大 400G のイーサネット ポートを統合したり、また最適化したモジュール型ネットワーキング カードに少ないチャネル数で必要に応じて追加できるソリューションを実装できます。メディアが圧縮されているか非圧縮かにかかわらず、AMD デバイスは、無類のトランシーバー性能、広帯域幅、パケットとフレームのバッファリング用オンボード HBM (高帯域幅メモリ) を提供します。ST 2059 を使用したタイミングと同期、ソフトウェア制御用のオープン API を追加することで、AMD FPGA および SoC は、既存のトポロジと新しいトポロジの理想的なブリッジ機能を提供し、新しい規格や技術に対応する柔軟性と拡張性を備えたソリューションを提供します。

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顧客のサクセス ストーリー

デジタル サイネージ & ビデオ ウォール

消費者を魅了する高画質でインタラクティブな業務用大型ディスプレイ

デジタル サイネージ アプリケーションは、情報提供から広告まで多岐にわたり、個人または多数の視聴者をターゲットにできます。インタラクティブ性を持たせた 1 台のフラット パネル ディスプレイ、複数ディスプレイを同期させた大型ビデオ ウォール、多数のタイルを組み合わせて大型ディスプレイを構成する LED ウォールなど、さまざまなものが考えられます。ファインピッチ LED ウォールは、大型の屋外広告ディスプレイや、映画館、会議室、さらには家庭での映像プロジェクションに取って代わる存在になりつつあります。LED ウォールの場合、CPU 上で動作するソフトウェアのみのシステムでは、大型ディスプレイに必要な超高性能なリアルタイム AV 処理性能に対応できないため、AMD プラットフォームの利用が不可欠です。広告の場合、視聴者の指標を分析できるように機械学習機能付きカメラを導入すれば、関連するターゲット広告を表示して、収益化を図ることができます。

コラボレーション & カンファレンス

高性能画像キャプチャ、ストリーミング、分析で連携を強化

ビデオ会議システムは、ビデオ、オーディオ、コンテンツをリアルタイムで簡単に共有できる、より高性能なコラボレーション システムへと進化しています。ハイエンドな会議を行う従来の会議室に加え、地球上には 3,000 万室以上の会議室があると言われていますが、そのうちビデオ会議が可能な部屋は 2% 以下という現状です。コラボレーション機器ベンダーにとって、この未開拓領域は、会議にインテリジェントなビデオ機能を追加する大きなチャンスとなります。エッジ AI 対応カメラ、リアルタイム画像ワーピング、低遅延高品質圧縮、IP 伝送技術の恩恵を受け、ユーザー エクスペリエンスは大幅に向上し、シームレスでリアルなインタラクションがますます身近になります。

製造業者は、AMD の適応型プラットフォームで構築した高集積でコスト効率の良いビデオ処理、コンピューター ビジョン、およびストリーミング ソリューションの恩恵を受けることができます。特にエンベデッド処理向けの Zynq 7000 SoC や、H.264/H.265 圧縮機能を搭載した Zynq UltraScale+ MPSoC EV を利用したソリューションでは、その効果が顕著に現れます。

AMD プラットフォーム

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AMD は、放送機器や業務用マルチメディア システム向けのプラットフォームを幅広く提供しています。FPGA や アダプティブ SoC、H.264/H.265 ビデオ コーデック ユニットを統合した MPSoC、さらには Kria SOM や Alveo アクセラレータ カードまで、AMD はチップダウンやプラグイン ボードのいずれの実装方法にも対応でき、リアルタイムかつ低レイテンシを実現できる理想的な AV 処理プラットフォームを提供しています。

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AV テクノロジ

ほとんどのマルチメディア システムは、AV 接続 (ベースバンド伝送と IP 伝送の両方)、オーディオ/ビデオ処理、圧縮を組み合わせて使用します。AMD は、アライアンス プログラム パートナーの協力のもとで、多数の IP コア、リファレンス デザイン、およびサブシステムを提供し、迅速な開発をサポートしています。