256 チャネル超音波画像処理

超音波診断 (Diagnostic Sonography、Ultrasound) は、医療画像診断で日常的に導入されており、妊娠中の検査には不可欠です。超音波は、患者を放射線にさらしたり、射線造影剤を注入することなく、体内の内部組織を非侵襲的に視覚化できます。つまり、超音波はセンシティブな診断状況において理想的な画像診断技術と言えます。

現在、超音波は高解像度画像へと進化し、3D または 4D でリアルタイムに表示できるようになりました。体内のより鮮明な画像を医師や超音波オペレーターに提供するには、より多くの変換器チャネルへ同時に接続できるようにし、より高いフレーム レート (FPS) で処理する能力に併せて、より低コストかつ低消費電力で実現する必要あります。

AMD のソリューションは、低コスト/低電力で、より鮮明な画像を生成でき、リアルタイムに 4D 画像を表示できる次世代超音波システムを構築できます。

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アナログ フロントエンド

アナログ フロント エンド (AFE) との通信は、I/O や帯域幅の制限、チャネル同期、消費電力など、多くの課題があります。AMD とアライアンス プログラム メンバーは、AFE 通信網の過密化を緩和する革新的な技術を提供し、AMD のトランシーバーとプロトコル (JESD204B など) を利用して、さらに多くのチャネルに同時接続できるようにしました。AMD のトランシーバーと JESD204B を利用した AFE 通信の利点は次のとおりです

  • より少ないレーンで、より多くの AFE チャネル (1 つのトランシーバーに 8 または 16 チャネル)
  • 高帯域幅で、より多くのチャネルを同時に読み取る
  • 従来の LVDS より PCB レイアウトがシンプル
  • AMD トランシーバーのビルトイン チャンネル ボンディング技術により、チャネルが単純化されてオクタル アライメントが実現
  • オクタル (8 回路) あたりの消費電力が削減

バックエンド処理

超音波画像処理は、粒子の粗い低解像度の 2D 画像だけを生成する初期装置のような単純なものではありません。今日の高解像度 3D/4D 画像には、超音波画像をリアルタイムに再構成するためのより高性能なデバイスが必要です。これを利用することで C や OpenCL などのソフトウェア言語でこれらの再構成アルゴリズムと技術を構築できるようになります。

AMD の先駆的 FPGA テクノロジは、超音波画像再構成用のソフトウェア ベース アルゴリズムを高速化するのに十分な能力を備えています。これにより、深部まで分解能の高い画像を得られる超音波装置を実現できます。

アルゴリズム開発者は、AMD の Vitis™ 統合ソフトウェア プラットフォームを利用することで、C/OpenCL ですべての開発を進めることができます。RTL へ変換したり、プラットフォームを構築しなくても、リアルタイム処理向けの AMD デバイスを搭載した COTS プラットフォームにコンパイルできます。AMD Vitis™ 統合ソフトウェア プラットフォームを使用する利点は次のとおりです。

  • 2D/3D/4D で超音波画像のリアルタイム処理が可能
  • C、C++、OpenCL などのソフトウェア ベースの開発言語
  • COTS プラットフォームの利用でプラグアンドプレイの迅速なプロトタイピングと運用が可能

柔軟な AMD デバイスを搭載した信頼性の高いプラットフォームは、10 年以上先の超音波システムに対応でき、スキャンから画像表示までのレイテンシを最も短くできます。

IP とリファレンス デザイン

名称 機能 利用方法 デバイス ファミリ サポート プロバイダー
JESD204 高速インターフェイス 高速コネクティビティ 提供中 7 シリーズ以降 AMD
JESD204B リファレンス デザイン リファレンス デザイン 提供中 7 シリーズ以降 パートナー
ArrayFire C/OpenCL ライブラリ ソフトウェア用に最適化されたライブラリ 近日発表 7 シリーズ以降 パートナー
Vitis 統合ソフトウェア プラットフォーム ソフトウェア ベース開発ツール 提供中 7 シリーズ以降 AMD